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【速報】今日(2017年5月25日)の東京地裁民事8部(商事部)、会社よりの判決傾向が継続か? ユニバーサルエンターテインメントの代表訴訟が判決言い渡し


民事8部の小野寺真也裁判官/裁判所のHPより

【5月25日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

2017年5月25日(木)の東京地裁民事8部(商事部)の合議事件を速報します。

家簡裁合同庁舎6階 601号法廷
午後1時15分
弁論(判決言渡) 株主権確認等請求事件
原告 西村今朝男
被告 有限会社FUJI
裁判官 大竹昭彦、千葉健一、小川恵輔
書記官 長田章恵

東京地裁高裁簡裁(刑事)合同庁庁舎706号法廷
午前2時
平成27年(ワ)第11607号
弁論 株主代表訴訟事件
原告 細羽強
被告 岡田和生(株主代表訴訟事件) 外
裁判官 小野寺真也、目代真理、角田宗信
書記官 岡直美

【了】

【速報】クックパッドでも敗北した穐田誉輝氏の大失敗、ヴァスコ・ダ・ガマ法律会計事務所・替地俊二弁護士によるFAXが裏目に


クックパッドの前社長で、現在オウチーノの会長などを務める穐田誉輝氏/img-cdn.jg.jugem.jp より
【5月22日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

クックパッドの前社長・穐田誉輝氏の私生活についての報道が相次いでいるが、そもそも穐田氏サイドのやぶ蛇であったとの解説が急浮上している。

菊川怜との結婚後、当初は「40代の一般男性」として報道されていたが、その後、第4の婚外子の存在までも暴かれる結果となっている。その第4の婚外子の母親は、穐田氏2004年に知り合った当時は、高校3年生だったという女性で、数年後に妊娠したものの、穐田氏は出産費用だけは出したものの、認知しなかったと、「週刊文春」によって報道されている。

菊川の結婚報道後、穐田誉輝氏は、ヴァスコ・ダ・ガマ法律会計事務所・替地俊二弁護士を代理人として、メディア複数社に「私生活上の事実を取材されることを望まない」などとして、FAXを送っていた。

しかしこの時、穐田氏について取材していたメディアはおおよそ皆無だったが、逆にこのFAXによって複数社が、取材を始め、逆に私生活が暴かれ、その結果、婚外子報道が相次ぐ結果となったようなのだ。

こういったことから、穐田氏自身が「やぶ蛇」の行動をとったというようなのだが、当の本人は、リアルワールドで、あの「強姦嫌疑」によって第二東京弁護士会から退会命令の懲戒処分を受けた大塚和成氏と、仲良くかどうか、取締役会で席を並べているのだ。

男性の心理学は、経営や料理よりも、奥深いようだ。

なお、替地俊二弁護士の経歴は、所属事務所のHPによると、以下の通り。

2008年3月 明治大学法学部法律学科 卒業
2011年3月 中央大学法科大学院 卒業
2011年11月 司法研修所 入所
2013年1月 弁護士登録(東京弁護士会所属)
2013年1月 ヴァスコ・ダ・ガマ法律会計事務所 入所

【了】

【速報】西村あさひ法律事務所、英国人弁護士・ティモシー・ジェファーズ氏をホワイト&ケイス法律事務所から引き抜き

【5月17日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

西村あさひ法律事務所は、22日に、英国出身のティモシー・マイケル・ロウチ・ジェファーズ弁護士(55)を、「グローバル・デベロップメント・ダイレクター」という肩書きを新設して、幹部登用する。

同事務所にとっては、初の外国人弁護士の幹部登用になる。

同氏は1986年に英大手法律事務所のクリフォードターナー(現クリフォードチャンス)に入所し、バンコクと東京では所長を務めたのち、2012年に米大手法律事務所ホワイト&ケースの東京拠点に移籍した。【了】

【さくらフィナンシャルニュース 社説】日本弁護士連合会による大塚和成弁護士への処分軽減の理由は、法学の基礎的論理構成からして欠落している落第点確実の駄文だ


日本弁護士連合会会長の中本和洋弁護士/日本弁護士連合会のHPより

【5月16日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

去年2月に第二東京弁護士会から、退会命令の懲戒処分を受けた大塚和成(元祝田法律事務所(旧名称、二重橋法律事務所)代表パートナー弁護士)。

なんと、日本弁護士連合会は、「強姦まがいの行為」を行ったとして第二東京弁護士会が認定した大塚和成氏について、業務停止2年の処分に軽減したのだが、以下のその理由が、噴石モノだと、関係者の間で嘲笑の対象となっている。

(1)審査請求人が懲戒請求者の抵抗を物理的に排してまで強引に本件性行為を完遂したとまで言うことができないこと。

(2)審査請求人が、元弁護士会で退会命令という重大処分を受け、一時的ではあるが廃業するに至ったこと。

(3)本件が報道され、家族も含めて社会的制裁を受けていること。

まず、「審査請求人(大塚和成氏)は、懲戒請求者(大塚氏の当時部下だったアソシエイト弁護士)の意に沿わない性行為を実行した」と認定したものの、「懲戒請求者の抵抗を物理的に排してまで強引に本件性行為を完遂したとまで言うことができない」というのは、果たしてどういうことなのであろうか? 

例えば、88年から89年に足立区綾瀬で起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件では、主犯の男は、仲間に自転車を蹴らせて、怯えていた被害者の巧みに騙して、ホテルに連れ込んで性行為に及んでいるが、こういった行為についても強姦罪が認定されている。

大塚氏が「意思に沿わない性行為を実行した」のに「抵抗を物理的に反してまで強引に本件性行為を完遂した」とまでは言えないことについて、どのような事実認定や論理構成によって、このような認定をしたのか、日本弁護士連合会は、一般国民に説明責任があるというべきだろう。

さらに、「審査請求人が、元弁護士会で退会命令という重大処分を受け、一時的ではあるが廃業するに至ったこと」などを、処分軽減の理由にしているが、そもそも「一時的にではあるが廃業するに至ったこと」は、大塚氏が弁護士倫理に反する行為を行ったことを踏まえて、第二東京弁護士会が下した処分の結果なのであって、処分の結果、起こったことを、処分軽減の理由にするのは、そもそもおかしい。

この弁護士会の理屈によれば、例えば、刑事事件で有罪になった被告が、「有罪判決を受けたことによって***になったから」という理由で、減刑を求めることができるという論理関係になる。

そして極め付けは、そもそも、本件事件が報道されたことで家族も含めて社会的制裁を受けたことが、退会命令から業務停止2年への処分軽減の理由の一つになっているが、日本弁護士連合会は、要するに、弁護士の処分について、報道するなとでも言っているのであろうか?

退会命令から処分軽減されている理由の3つのうち一つが、「本件が報道され」て、大塚氏の家族も含めて社会的制裁を受けていることらしいので、弁護士資格の回復を熱望していた大塚氏は、報道してもらったことについて、菓子折りでも持って、お礼の意向を伝えるべきだろう。

この日本弁護士連合会の作文は、米国の短大(コミュニティ・カレッジ)の法学の授業の単位取得のための課題作文だったとしても、及第点には及ばないであろう。

【了】

【速報】今日(2017年5月11日)の東京地裁民事8部(商事部)、在日大韓基督教会東京協会の内紛事件の口頭弁論が開催

【5月11日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

2017年5月11日(木)の東京地裁民事8部(商事部)の合議事件を速報します。

東京地裁高裁簡裁(刑事)合同庁庁舎706号法廷
午前11時
平成28年(ワ)第11064号
弁論 地位不存在確認等請求事件
原告 全三郎 外
被告 在日大韓基督教会東京協会
裁判官 大竹昭彦、岡本陽平、君島直之
書記官 橋本繭子

【了】

【特報】いまだに民進党に所属する高山泰三・文京区議会議員、koreyamaginzo名でのTwitter投稿がいまさらながらに「まとも」と話題に


大崎エンジニアリングの臨時株主総会を招集するなど資本市場でも名前を出していた高山泰三・文京区議会議員/本人のFacebookより

【5月9日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

宇野澤組鐵工所の大株主に名を連ね、現在も民進党に所属する高山泰三文京区議会議員の以前のTwitterでの投稿が、今更ながらに注目を浴びている。

高山議員は、「@koreyamaginzo」のハンドルネイムで、Twitterアカウントを運用。 「岡田は選挙にめちゃっくちゃ弱い。現職の国会議員たちアフォなの?マゾなの?」といった発言のほか、菅直人元総理大臣を「あれくらいツラの皮が厚くてガメついから二世でもないのに総理までになれたのかな」と揶揄。

2015年5月には、「大阪都構想に熱心に反対してる面々からだけで判断すると、都構想は進めた方が良いような気がしてしまう」とツイートしたが、その後にリツイートした反対者・反対政党の一覧には民主党も含まれており、民主党(当時)に対する強烈な批判が目を引く。

さらには、反原発運動に関わっていた古賀茂明氏、山本太郎氏、池内さおり氏らを「放射脳」、「基地外左翼」などと形容。

「江田憲司を見ると国会の審議より毛髪の真偽ばかりが気になってしまう」、

「秋篠宮さまに似ている友人が子沢山だったことを思い出した。あの手の顔は強いんだな」

といったツイートも行っているほか、

「次世代の党のボロ負けで明らかになったことはネトウヨはうるさい割に票田としてあてにならないという事実。放射「脳」の方々と同じ」として、左のみならず、右翼側にも手厳しい批評を加えている。

さらには、台風の日に「目線はパンチラに期待」と書いたり、ドラマを観た感想として「最早エロビデオの早送りするストーリー部分みたいな安っぽさ」と記したりしている。電車内で恋愛相談を受けている男性を見て、「やや挙動不審。さては勃○してるなコイツ」といった発言も行っており、文京区議会議員選挙で、過去4回中3回をトップ当選している議員らしく、ウィットに富んだ、知性を感じられる内容の発言も多い、

プロフィール欄には「リンク先の方とほぼ同じ思考回路です」と記載。

東京都文京区の区議会議員である民主党の高山泰三自身のHPのURLを記し、民主党(当時)関係者への批判を繰り返していたことは、「Tantei Watch」(http://tanteiwatch.com/17398)
なるサイトでも、報道されていた。

なお、以下は、「Tantei Watch」が、 2015年5月19日に、「民主党議員が匿名ツイッターで誹謗中傷を連発!下品な発言や皇室ネタも」と題する記事を配信した時に掲載された、高山泰三議員のTwitter投稿等の証拠画像等である。

文京区では、東京都議会選挙でも、民主党の元都議会議員である増子博樹氏が離党し、「都民ファーストの会」からの出馬が確定しており、そのほか、長島昭久元防衛副大臣の離党など、東京都の民進党は、もはや瓦解しつつあるなか、高山泰三議員の去就はいかに。【続】

【速報】平成29年4月27日の東京地裁民事8部(商事部)、赤根豊税理士と村上世彰氏の係争の最終口頭弁論、オリンパス旧役人責任追及訴訟の判決が言い渡し


村上世彰氏らを提訴している蔵人総合研究所代表の赤根豊税理士

【4月27日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

2017年4月27日(木)の東京地裁民事8部(商事部)の合議事件を速報します。

東京地裁家簡裁合同庁舎601号法廷

午後1時30分 弁論
平成27年(ワ)第27803号 損害賠償請求事件
原告 株式会社蔵人総合研究所
被告 村上世彰 外
裁判官 大竹昭彦、久田淳一、角田宗信
書記官 橋本繭子

午後3時 弁論 損害賠償請求(株主代表訴訟)事件
平成28年(ワ)第11613号
原告 碓井雅也
被告 佐藤康博(みずほフィナンシャルグループ) 外
裁判官 小野寺真也、下馬場直志、小川恵輔
書記官 岡直美

東京地裁高裁簡裁(刑事)合同庁庁舎103号法廷
午前10時 損害賠償請求(東電福島第一原発事故・株主代表訴訟)事件
平成24年(ワ)第6274号 外
原告 浅田正文 外
被告 勝俣恒久 外
裁判官 大竹昭彦、下馬場直志、君島直之
書記官 橋本繭子

16時45分 弁論(判決言渡)
平成24年(ワ)第174号 外 取締役に対する損害賠償等請求事件
原告 オリンパス株式会社 
被告 岸本 正壽 外
裁判官 大竹昭彦、松山美樹、小川恵輔
書記官 櫻庭一威

【了】

【速報】オリンパス旧役員追求訴訟で、東京地裁民事8部が菊川元会長らに約598億円の賠償命令


597億円あまりの損害賠償責任を認められたオリンパス元会長の菊川剛氏

【4月27日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

東京地裁民事8部の大竹昭彦裁判長は、オリンパスの巨額粉飾事件に関連して、会社及び株主らが元取締役らに対し損害賠償を請求していた事件で、総額で597億8596万8936円の損害賠償を認める判決を、言い渡した。

下山敏郎元社長の遺族3名に1億円、岸本正壽元社長に1億円、中塚誠元取締役に2986万円、菊川剛元会長、山田秀雄元取締役、森久志元取締役にそれぞれ597億8596万8936円の支払い義務を認定。

なお総額597億8596万8936円は、連帯債務であり、それぞれの取締役らに請求額の上限を設けた格好だ。

損失隠しに伴って虚偽記載された有価証券報告書に従って違法配当された総額を、約587億円と認定し、損失隠し疑惑を追及したウッドフォード社長を解任し、同社の信用を毀損して与えた損害なども認定した点に、新しさがある。

新しい情報が入り次第、続報をお伝えする。【続】

【速報】あの二重橋法律事務所(現:祝田法律事務所)・大下良仁弁護士、なんと東京地裁民事46部で判事補として復帰


東京地裁民事46部に着任している大下良仁裁判官/祝田法律事務所のHPより

【4月26日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

判事補に対して、偏在した社会経験を刷り込む恐れが強いとして、本誌が大反対・問題視している「判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律」に基づいて、前代表弁護士が部下の女性弁護士に対する強姦嫌疑で退会命令の懲戒処分を受けていた祝田法律事務所(二重橋法律事務所)に今年3月まで所属していた大下良仁元弁護士(新第64期)が、なんと東京地裁の判事補として、復帰していることが、わかった。

なお、退会命令の処分を受けた大塚氏は、のちに日本弁護士連合会により、業務停止2年に処分が軽減されている。

大下良仁判事補は、東京地裁の民事46部に4月から所属になっている。

アソシエイト弁護士に対する強姦(レイプ)嫌疑で、去年2016年2月に第二東京弁護士会から退会命令の懲戒処分を受けた、同事務所の大塚和成元代表弁護士パートナーは、ある株式全部取得が問題になった裁判事案において、最高裁判事の長女であり、同じく「判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律」に基づいて、岩田合同法律事務所に弁護士として出向していた鬼丸のぞみ判事補(現在、富山地裁判事補)を、訴訟を不当に会社側に有利に導こうとしたという指摘が、相手の個人株主らからもあった。

同事務所では、門伝明子弁護士や木川和広弁護士など、パートナー弁護士をはじめ、鬼丸かおる最高裁判事の娘婿の森駿介弁護士(鬼丸のぞみ富山地裁判事補の夫)や、三井法律事務所時代から大塚氏らと行動を共にしていた伊藤菜々子弁護士ら、6人の弁護士が、すでに離脱している。

祝田法律事務所のコンプライアンス・「利益相反的行為」に対する体質や、その後起こっている異常な事態を総合的に考慮すると、国民にとっても、「大丈夫、大丈夫」どころではないだろう。【了】

【番組紹介】誰が何のために共謀罪を作ろうとしているのか(マル激トーク・オン・ディマンド 第837回(2017年4月22日)、ゲスト・清水勉弁護士(元裁判官・明治大学法科大学院教授))


清水勉弁護士

【4月22日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

神保哲夫氏と宮台真司氏による「ビデオニュース・ドットコム」の第837回のゲストに、弁護士の清水勉氏が登場しています。本誌の問題意識と重なるところが多い内容となっておりますので、お時間がある方は視聴されることを推奨いたします(さくらフィナンシャルニュース編集部)。

誰が何のために共謀罪を作ろうとしているのか(マル激トーク・オン・ディマンド 第837回(2017年4月22日)、ゲスト・清水勉弁護士(元裁判官・明治大学法科大学院教授))
http://www.videonews.com/marugeki-talk/837/

この法律を通せなければ、東京五輪・パラリンピックを開けなくなるかもしれない。安倍首相がそうまで言い切った以上、政府は何があっても今国会で共謀罪を成立させるつもりなのだろう。

 実際、共謀罪の審議が4月19日に始まり、政府は5月中旬の成立を目指すとしている。

 しかし、ここまで欺瞞に満ちた法案も珍しい。政府はこの法案をテロ準備罪などと呼ぶことで、あり得ないほどデタラメな法律を何とか正当化することに躍起のようだが、この法律にはそもそもテロを取り締まる条文など一つとして含まれていない。

 にもかかわらずメディアの中には、この法案を政府の要望に沿う形で「テロ準備罪」(読売、産経)だの「テロ等準備罪」(NHK)と呼んで憚らないところがあることも驚きだが、この法律は断じてテロ対策法などではない。いや、そもそもこの法律が必要であると政府が主張する根拠となっている国際組織犯罪防止条約(別名パレルモ条約)は、それ自体がマフィアのマネーロンダリングなどを取り締まるためのもので、テロを念頭に置いた条約ではない。
 では、この法律は何のための法律なのか。今回は珍しくマスメディアの中にも政府の意向に逆らってこの法案を「共謀罪」と呼び続けるところが出てきているが、当たり前のことだ。これは日本の法体系に共謀罪という新たな概念を導入することで、日本の刑事司法制度に根本的な変革をもたらす危険性を秘めた法律だからだ。
 犯罪には突発的に起きるものもあるが、その多くは計画的に行われる。計画的な犯罪の場合、実際に犯行が実施される前段階で、犯罪を計画したり準備する必要がある。近代司法の要諦である罪刑法定主義の下では、基本的には実際の犯罪行為が行わるまで個人を処罰できないが、殺人罪などの重大な犯罪については、計画や準備しただけで処罰が可能なものが例外的にいくつか定められている。ただし、それは殺人のほか、航空機強取等予備罪、私戦予備罪、通貨偽造準備罪など、国家を転覆させるような極めて重大犯罪に限られている。

 共謀とは、準備、計画の更に前段階で、犯罪を犯す意思を確認する行為を指す。これまでは国家を転覆させるような重大犯罪の場合でも、訴追するためには最低でも犯行の準備や計画が行われている必要があったが、共謀罪が導入されれば、それさえも必要としなくなる。しかも、今回は懲役4年以上の犯罪が全て対象となるため、詐欺や著作権法違反、森林法違反、廃棄物処理法違反などの一般的な犯罪を含む277の犯罪がその対象となる。例えば、著作権も対象となっているため、音楽ソフトを違法にコピーしたり、著作権をクリアできていない曲を演奏するライブイベントを構想したり相談するだけで、共謀罪違反で逮捕、訴追が可能になる。

 政府は対象が組織的犯罪集団であることや、具体的な犯行の準備に入っていなければ、訴追対象にはならないと説明している。しかし、法律には何が「組織的犯罪集団」や「準備行為」に当たるのかが明示されていないため、警察にその裁量が委ねられることになり、まったく歯止めはなっていない。

 共謀罪は過去に3度国会に上程されながら、ことごとく廃案になってきた。犯罪行為がないまま個人を罰することを可能にする法律は、個人の思想信条や内面に法が介入につながるものとして、市民社会の強い抵抗に遭ってきたからだ。

 今回の法案もその危険性はまったく除去されていない。しかし、情報問題や警察の捜査活動に詳しい清水勉弁護士は、今回の共謀罪には過去の共謀罪にはなかった新たな危険性が含まれていると指摘する。それは情報技術の急激な進歩に起因するものだ。

 今や誰もがスマホなどの情報端末を利用するようになり、巷には監視カメラなど個人の行動をモニターする機器が溢れている。映像から個人を識別する顔面認識カメラも、導入が間近だと言われている。

 共謀罪が導入され、犯行の事実がなくても逮捕、訴追が可能になれば、警察の裁量で誰もが捜査対象になり得る。集積されたビッグデータを使えば、捜査対象となった個人の行動を過去に遡って詳細に収集、把握することも可能だ。それはまるで全ての国民が24時間公安警察に見張られているような状態と言っても過言ではない。

 本人がどんなに気をつけていても、例えばある個人が所属するSNSグループ内で飲酒運転などちょっとした犯罪行為が議論されていれば、共謀と認定することが可能になる。そのSNSグループに参加しているその人も、「組織的犯罪集団」の一部と強弁することが可能になり、捜査の対象となり得る。早い話が警察のさじ加減次第で誰でも捜査対象となり得るのだ。そして、一度捜査対象となれば、情報は過去に遡って無限に収集されることになる。

 これでは政府に不都合な人間の弱みを握ることなど朝飯前だ。気にくわない他人を陥れることも容易になるだろう。
 21世紀最大の利権は「情報」だと言われて久しい。多くの情報を収集する権限こそが、権力の源泉となる。共謀罪が警察の情報収集権限を無尽蔵に拡大するものであることだけは間違いない。

 とは言え、東京オリンピックを控えた今、日本もテロ対策は万全を期する必要がある。まったくテロ対策を含まない共謀罪なるデタラメな法案の審議にエネルギーを費やす暇があるのなら、過去に日本で起きたテロ事件を念頭に置いた、日本独自のテロ対策を練るべきだと清水氏は言う。日本での大量殺人事件は秋葉原無差別殺傷事件や相模原「津久井やまゆり園」殺傷事件などを見ても、いずれも単独犯で、共謀罪ではまったく取り締まることができないものばかりだ。しかも、日本の治安は今、過去に例がないほどいい状態が保たれている。ことほど左様に、今回の共謀罪はまったく意味不明なのだ。

 テロ対策には全く役に立たない共謀罪を、誰が何のために作ろうとしているのか。政治はその刃が自分たちに向けられていることを認識できているのか。清水氏とともに、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した

清水 勉(しみず つとむ)
弁護士
1953年埼玉県生まれ。78年東北大学法学部卒業。88年弁護士登録。専門は情報問題。「明るい警察を実現する全国ネットワーク」代表を兼務。2014年より政府情報保全諮問会議メンバー。共著に『秘密保護法 何が問題か――検証と批判』、『「マイナンバー法」を問う』など。

【了】