【特報】王子ホールディングス、岡山製紙臨時株主総会・株主提案議案への対応に注目

投稿者: | 2017年2月20日


岡山製紙の津川孝太郎社長/同社のHPより

【2月20日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

岡山製紙(東証ジャズダック、証券コード3892)が、少数株主らが、津川孝太郎社長の取締役からの解任、自己株式の取得、定款一部変更などを求める臨時株主総会開催請求を受け、本日2月20日を基準日、3月22日を開催日とすることを発表した。

同社では、前回の定時株主総会で、株主らが株主提案を行っていたが、説明時間に5分しか与えられないのは不当だなどの声が、株主の間から上がっていた。

また、筆頭株主の王子ホールディングス(東証1部、証券コード3861)を除く議決権行使では、株主提案に対して、相当比率の賛成票が投じられていたため、今回の株主総会でも、王子ホールディングスによる株主提案議案への議決権行使の対応が、一つのポイントになると考えられる。

なお、株主総会へ附議される議案は、以下の通りである。

http://v3.eir-parts.net/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=1444457
第1号議案 津川孝太郎取締役の解任の件
第2号議案 自己株式取得の件
第3号議案 定款一部変更の件(レブロン義務の規定)

(1)第1号議案(株主提案)
議案の要領
取締役の津川孝太郎を解任する。

提案理由の概要
2016年8月26日開催の当社定時株主総会で、株主より20の議題提案があったが、津川氏が株主に対して、説明時間として与えたのはたった5分であった。津川氏は株主からの議題説明に十分な時間を与えたとはいえず、また、株主からの議題説明について関心を寄せていないことが懸念される。津川氏は、その株主総会での態度を見る限りにおいても、「コーポレートガバナンスコード」の趣旨を踏みにじる株主総会運営を行っているとしか判断できない。このような代表取締役は、経営者として不適格であり、取締役から解任されるべきである。

◇当社取締役会の意見
本議案に反対いたします。代表取締役津川孝太郎は、取締役として法令及び定款に従い忠実にその職務を遂行しており、解任を求められる事由はありません。同取締役は、当社定款第12条に基づき、当社株主総会の議長としてその議事進行を執り行っておりますが、前回の定時株主総会を含め、毎回の定時株主総会の議事につき、適法かつ適正・妥当な議事進行を行っております。
前回の定時株主総会(平成28年8月26日開催)におきましては、株主様からのご提案議案が20個もの多数に及んでおりましたが、ご提案株主様より当社に事前にご送付いただきました株主提案書記載の提案事項全文を招集通知書に記載し、全株主様への事前の周知を図っております。また、総会当日におきましても、ご提案議案に係る補足の説明時間に加え、十分な質問時間を設け、質問を受けた同取締役ほか当社取締役らは、いずれも株主様からのご質問事項に対し誠実に答弁いたしました。
なお、上記質疑応答開始より採決に至るまでの時間は概ね1時間20分であり、ご提案株主様からのご発言がその大部分を占めておりましたところ、最終採決段階では、提案株主様を含む全ての株主様の了承のもと採決がなされ、2時間15分に及ぶ上記株主総会は平穏に閉会・終結いたしました。
以上経緯のとおり、上記株主総会におきましては、議長を務めた同取締役において、コーポレートガバナンスコードの趣旨に則り、株主様との対話の場であることを認識し、適法・適切に議事進行を執り行っております。
この度のご提案理由は、上記議事進行の全体を俯瞰することなく、その一部のみを殊更強調されたものと言わざるを得ず、同取締役の解任事由は全く存しないものと思料します。
したがいまして、当社取締役会は本議案に反対いたします。

(2)第2号議案(株主提案)
議案の要領
本株主総会終結の時から1年以内に当社普通株式を、株式総数400,000株、取得価額の総額3億円(ただし、分配可能額の範囲内)を限度として、金銭の交付をもって取得することとする。

提案理由の概要
当社は、不必要に過大な現金や投資有価証券を保有しており、それが株主資本利益率(ROE)の低下に繋がり、株価が著しく低迷する事態を招いている。当社のROEは、3%に満たない水準である。他方で、経済産業省の「伊藤レポート」でも、我が国の上場企業がめざすべき最低のROEとして、8%を数値目標として事実上設定している。当社の中長期的な株式価値を向上させるため、当社の手持ち現金を自己株式取得のため に使用し、不要な現金等の資産は、株主に還元すべきである。

◇当社取締役会の意見
本議案に反対いたします。当社は、会社法第165条第2項および定款第33条の規定により、取締役会の決議によって自己株式を取得することをこれまでも行ってきたところであり、これからも必要により取締役会の判断で行うことが適切だと考えます。
現金等の資産につきましては、装置産業である当社の設備投資は金額が大きく、実施するときは可能な限り自己資金で行いたいため、資金をプールしているもので、不要な資金ではないと考えます。
したがいまして、当社取締役会は、本議案に反対いたします。

(3)第3号議案(株主提案)
議案の要領
「当社取締役会は、米国デラウェア州の少数株主保護に関するレブロン義務に相当する義務、すなわち取締役会が会社を売りに出すと決めた場合には、最も高い値段を提示した買収者に対して売却する義務を負うものとする。これに違反した場合には、かかる意思決定に賛成した取締役及び監査役は、すべての少数株主に対して、最も高い値段を提示した買収者と、実際の売却相手との売却価格の差額について、損害賠償責任を負うものとする。」という条項を、定款に記載する。

提案理由の概要
我が国の会社法実務においては、米国のレブロン義務、すなわち「取締役会は、会社を一旦売りに出すと決めたら、最も高い値段の相手に売る義務」については、これが取締役に存在するということが、法令上あるいは判例理論上、必ずしも明らかになっていないため、大株主による一株あたり純資産を大幅に下回る価格での買収に、取締役が賛成することが、ありふれており、少数株主保護が、諸外国と比べておざなりになっている。かかる少数株主保護の規定を、定款で規定し、取締役の義務として別個に規定することは、取締役の少数株主に対する忠実義務をより明確化させ、結果として当社の少数株主の利益を保護することにつながる。

◇当社取締役会の意見
本議案に反対いたします。
現在の日本の会社法の議論においては、企業買収に際して、取締役の任務としてその買収対価の適切性について判断することが含まれていると解されるところであり、議案のような定款の条項は不要であると考えます。
さらには、当社取締役会は、純利益を高めるため、経営努力を傾注しており、会社を売りに出すなど全く考えておりません。予定にない事態を想定した定款の一部変更の必要はなく、逆に弊害であると考えます。
したがいまして、当社取締役会は、本議案に反対いたします。
付言するに、当社取締役ら一同は、会社に対し、善管注意義務、忠実義務を負っており、今後もこれら義務を果たす所存でおります。

新しい情報が入り次第、続報をお伝えする。【了】

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