【さくらフィナンシャルニュース 社説】待機児童問題への対応から民進党の政権担当能力の低さを嗤う(1):野党提出の「保育士等処遇改善法案」は「自治労主導」の「ばら撒き」「火事場泥棒法案」

投稿者: | 2016年5月14日

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自治労出身の民進党・相原久美子参議院議員/本人のFacebookより

【5月14日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

「保育園落ちた日本死ね」と題する匿名ブログの国会審議に端を発した、待機児童問題。

老人には一人3万円のバラマキを行っても、待機児童問題にはなんら実効性のある対策を打とうともしない政権に対する批判として、国民世論を喚起したことは、非常に意味があった。

その範囲では、問題提起をする野党としては、評価できる。

しかしながら、小誌が、以前紹介した鈴木亘学習院大学教授の論考(「保育士の賃上げをしても待機児童はなくならない」、「Wedge」 記事、2016年5月号)を待つまでもなく、民主党ほか野党側が提出している法案は、バラマキだ。

以下は、鈴木教授が指摘する通りであり、単純な理由だが、待機児童問題が深刻なのは、東京や大阪、沖縄など、あくまで一部の地域であり、ほぼ待機児童問題が存在しない都道府県もある。

政策は、限られた財源の元で、政策効果を上げるために行うべきだから、待機児童問題が存在しない都道府県での、保育士等の待遇を政策的に引き上げる必要性は乏しい。

というか、必要がない。

しかも、私立保育園の保育士だけでなく、待機児童と直接関係のない事務職員、調理師、幼稚園教諭、児童養護施設役員、学童保育指導員らにまで、対象を広げて、給与を一律にあげることも、法案で強制する必要はない。

認可保育園の約4割を占める公立保育園の保育士は、公務員であり、そもそも民間保育士の給与よりはるかに高いのだから、彼らの給与を(しかも全国で)一律に上げる政策的必要性は乏しい。

特に、公立保育園の保育士は、民主党の主要支持団体である自治労(全日本自治団体労働組合)の組合員であることが、(特に地方の都道府県では)多いことから、野党が提出した「保育士等処遇改善法案」は、「自治労主導法案」という色彩が強いことが、自ずと分かるというものだ。

さらに、鈴木教授は、補助金が直接保育士に支払われずに、私立保育園を経営する(しばしば世襲制の家族・同族経営が行われている)「社会福祉法人」の施設経営者に支払われることも問題視しているが、この問題はあえて割愛する。

都市部の民進党の議員は、いったい何を考えているのか、法案を読む能力がないのか、そもそも関心がないのか、呆れてしまう。

何れにしても、政府の緊急対策が、待機児童問題が深刻な、都市部に対象を限定していることは、経済学者の回答である「保育バウチャー」制度という解決策には、到底及ばないものの、野党提出のバラマキ案よりは、はるかにましである。【了】

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