【さくらフィナンシャルニュース 社説】全国の高等裁判所裁判官諸氏は選挙無効の判決を出すべきで、参議院選挙・一票の格差放置は立法府の怠慢かつ司法の堕落としか言いようがない

投稿者: | 2016年10月18日

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去年の一票の格差の判決において、衆議院選挙広島1区と2区の選挙を「無効」を判示した筏津順子氏(当時、広島高裁判事)

【10月18日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

先日から、一票の格差を理由にして、7月の参議院の無効を求める裁判の高裁レベルの判決が、全国で出され始めている。

14日(金)の広島高裁岡山支部(松本清隆裁判長)、昨日17日(月)の名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)の判決は、いずれも「違憲状態」だが無効とはしないという、中途半端なものだった。

2012年12月の衆議院広島1区・2区の選挙についての広島高裁の筏津順子裁判長(第30期、2015年6月に定年退官)、同じく衆議院岡山2区の選挙および2013年7月に行われた参議院選挙岡山選挙区についての広島高裁岡山支部の片野悟好裁判長(第30期、2015年9月に定年退官)が、選挙を無効とする判決を言い渡して、世間の耳目を浴びた。

驚くべきは、安倍政権は、憲法改正をめざしている内閣でありながら、最高裁で「違憲状態」とされた一票の格差の是正に極めて消極的であること。この点についてだけは、民主党・維新の党(2016年2月当時)の「7増13減」の主張の方が、政府与党の「0増6減」よりましだった。

一票の格差が長期的な不平等が放置されていることは、特に参議院において、地方の力を強め、都市部の力を弱める実質的な効果と共に、世代間の不平等に実質的に大きく寄与してきたことは、客観的に言って疑いのない事実である。これは、地方では待機児童問題が存在せず、都市部でのみ大きな問題であることなどと、実は、密接な関係がある。

また、前回の最高裁判事の国民審査においても、2013年の参議院選挙を「違憲」かつ「無効」する少数反対意見を記載した山本庸幸裁判官の罷免を「可」とする比率が、選挙自体を「合憲」とした池上政幸裁判官(検察官出身)や山崎敏充裁判官(裁判官出身)と比べて、1%以上少なくなり、同じく選挙を「違憲」として、

「衆議院議員選挙と同様に,参議院議員選挙においても,投票価値の大きな較差を許容し得る合理的理由はなく,選挙区及び定数配分の具体的な設定に当たっても,前記1の基本原則のとおり,できる限り1対1に近い投票価値の平等の実現が憲法上求められる」

「毎回の選挙ごとにこれを最小化してできる限り投票価値を1対1に近づける努力が継続される必要がある」

として、「一票の格差」は常に1対1に近づける必要があるとした鬼丸かおる判事の罷免を「可」とする割合も、有意に低かった。実際に、国民世論が、潜在的には、一票の格差の是正を強く求めているということは、前回の国民審査の結果を見ても、読み取れるのである。

一人でも多くの高等裁判所の裁判官が、無効の判決を合議割れを恐れずに主張し、そして実際に書くべきだ。【了】

<参考>【速報】一票の格差に基づく参議院議員選挙無効請求訴訟の少数意見で「選挙無効」を指摘した山本庸幸裁判官の罷免を「可」とする比率が最低に(2014年12月15日)
http://sakurafinancialnews.jp/?p=168
2014年12月14日に衆議院選挙と同時に行われた、最高裁裁判官国民審査の結果。

裁判官名 罷免を「可」 「不可」

鬼丸かおる(弁護士出身) 4678087 46138768 (罷免率 9.21%)

木内 道祥(弁護士出身) 4861993 45954803 (罷免率 9.57%)

池上 政幸(検察官出身) 4855670 45961112 (罷免率 9.56%)

山本 庸幸(行政官出身) 4280353 46536351 (罷免率 8.42%)

山崎 敏充(裁判官出身) 4786184 46030604 (罷免率 9.42%)

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